GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動

ゲームをクリアし、プラチナトロフィーを取得するところまで遊びました。

  • 評価点数

80/100

  • 総プレイ時間

20時間

  • 良い点
    • 重力自身を操作できることが斬新。このゲームのアイデンティティは、ほぼこれに尽きる。スーパーマリオギャラクシーのように重力空間が場面ごとに変化するわけではなく、風を利用して空を飛ぶわけでもなく、重力自身を操作することで移動し、敵を攻撃する。
    • ステージはすべてオープンワールド形式で作られており、ほぼロードレスかつシームレスな世界が広がっている。携帯機でのオープンワールドが実現できる可能性を早期に示したという点で、その存在意義は極めて大きい。遊べるステージとしては、地球規模に広大な世界が作られているわけではなく、5つの特徴的な街といくつかの抽象世界だけ。ただし、水平方向だけでなく、垂直方向にも大きく地形が伸び、見えない場所も細かく作られているため、世界の狭さは感じない。また、移動時のエフェクトも効果的で、退屈な移動ではなく、超高速で「空に落ちる」感覚を味わえる。
    • 目的地までの距離と方向を示す「矢印」が常に表示され、広大かつ複雑な構造のステージであっても、迷わず目的地に辿り着くことができる。そして、この矢印のさらに重要な存在意義は、途中で大きく寄り道をしたとしても、目的地を見失うことがないこと。これにより、迷子になることもなく、移動中に気になった場所を気軽に探索することができる。余談であるが、Xenobladeにも同様の機能が実装されており、本作と同様にオープンワールドのステージをストレスなく遊ぶための補助ツールとして重要な役割を果たしていた。
    • 主人公の重力操作能力は「プレシャスジェム」によって高めることができる。ジェムは、敵を倒したり、ステージ上で拾うことで増やす。この、ジェムの拾得には必ず重力操作が必要になり、得られたジェムによって重力操作能力をより高められるという導線がシンプルかつ秀逸。広大なステージには至る所にジェムが散りばめられており、探索を単調にさせない良い動機付けとなっている。また、先述の「矢印」と相まって、探索によって生じるストレスがないことが素晴らしい。
    • 絵のタッチが独特。フレンチコミックっぽいと言われている。実際にストーリーの合間で挿し込まれる演出はコミックそのもの。
    • 作曲は田中公平。BGMがクラシックで、勇ましく、壮大。
  • 悪い点
    • チャレンジミッションのリトライ時のロード時間が長い。他にロード時間を感じることがほとんどないため、余計にもったいない。
    • ストーリー中ですべての疑問が完全に明かされない。続編があれば、そこで補完されるのかもしれない。
    • ゲームデザイン上、空中でのバトルで複数の敵を相手にすると、画面に表示されないものを含め、全方位に注意を払う必要がある。敵の数が多い場面だと、かなりカオスになりがち。
  • 雑感

携帯機でオープンワールドが遊べる衝撃はかなりのもの。ロードレスでシームレスな「MONSTER HUNTER」や「戦場のヴァルキュリア」など、将来に対する妄想がいろいろ膨らむ。
ストーリーは賛否両論あるみたいだけど、高校生時分の等身大の女の子を快活に表現できているように思う。不可解な点もあるにしても、エンディングへの持っていき方はけっこう好き。