大神 まとめ

大神(OKAMI)

大神(OKAMI)

大神 オリジナル・サウンドトラック

大神 オリジナル・サウンドトラック

一周クリアした後、「唯我独尊の数珠」を入手するところまでやりこんでみました。遊べるところは一通り遊んだので、そろそろ大神のまとめを書いてみます。
大神(おおかみ)はCAPCOMの子会社CLOVER STUDIOが手がけるオリジナル作品第一弾。関連サイトは以下の通り。

突き抜けた個性と高い完成度の両者を併せ持つ作品です。個人的にかなりオススメ。

  • ジャンル
  • 特長
    • 日本な文化がいっぱい。四季の自然、雅楽、筆、漢字、十二支、日本神話など。
    • 主人公はアマテラスという名のオオカミ。蘇ったヤマタノオロチを鎮めるため、眠りから覚めた神様。筆技を使って、花を咲かせたり、物を切ったり、水やら火やら雷を操る。周りの人間には白いイヌにしか見えないため、ポチなどと勝手にあだ名を付けられてかわいがられている。○ボタンでワンワン鳴く。△ボタンで地面を掘る。その仕草がいちいちかわいい。まじめな話をしてもぽかーんと口を開けてる、とぼけた性格。でも、やるときは表情を一転させる、アクセントの利いた性格の持ち主。キャラ的にボケ役。最初から最後までワンワンしか言わない…。
    • アマテラスの相棒にイッスンという一寸法師がいる。身長は一寸。アマテラスことアマ公の筆技を盗むために同行する。美人には目がない。ゲーム的に案内役。キャラ的にツッコミ役。人語を操る。
    • ストーリーは日本神話、昔話、小説をモチーフにしている。八岐大蛇、一寸法師南総里見八犬伝、舌切り雀、竹取物語、花咲爺さん、浦島太郎、桃太郎など。登場人物のキャラはCAPCOM仕様w
    • ゲーム中のすべての物が水墨画調に描かれている。人、動物、山、海、木、花、風、水しぶき、砂ぼこり、機械などすべて。
    • アマテラスが使いこなす筆技を「筆しらべ」と呼ぶ。十二支になぞらえた十二の神から会得する。R1ボタンを押す続けることで筆しらべ画面に変わる。筆しらべ画面で記号を筆で描くことで記号に対応したエフェクトが発動する。筆しらべはゲームの根幹となるシステム。戦闘やイベントなどあらゆる場面で使用可能。以下、筆しらべ一覧。
      • 画龍:失われた物を蘇らせる(墨を塗りたくる)
      • 一閃:あらゆるものを断ち切る(横にまっすぐ一筆)
      • 輝玉:爆弾(○に一本線を入れる)
      • 光明:太陽を出して昼に変える(空に向かって○を描く)
      • 月光:月を出して夜に変える(空に向かって弓を描く)
      • 花咲:枯れ木に桜の花を咲かせる(枯れ木に向かって○を描く)
      • 水蓮:水の上に蓮の葉を出す(水面に向かって○を描く)
      • 蔦巻:空中に咲く蓮の花に向かって蔦を伸ばし移動する(蓮の花と自分を墨で結ぶ)
      • 水郷:水を操る(水源から筆を這わす)
      • 疾風:風を起こす(うずを描く)
      • 紅蓮:炎を操る(火種から筆を這わす)
      • 迅雷:雷を操る(雷から筆を這わす)
      • 吹雪:氷を操る(氷から筆を這わす)
      • 霧隠:周囲の時間を遅くする(横線を二本描く)
      • 壁足:壁にくっつく(猫の像から壁に向かって筆を這わす)
    • 「百鬼絵巻」に触れると戦闘フィールドにシームレスに移行。妖怪を倒すと戦闘終了。
    • 戦闘を繰り返してもお金が手に入るだけ。また、お金を入手する方法は戦闘以外にもあるため、戦闘が苦手な人は極力戦闘を避けることができる。
    • レベルの概念が存在しない。困った人を筆しらべで助けることで「幸玉」が得られる。幸玉によって体力などを成長させることができる。
    • 和太鼓、鼓、三味線、琴、篳篥、横笛など雅楽の楽器を使った音楽で構成されている。
    • プレイ時間は40時間程度。
  • 感想
    • 動物を操作してここまで感情移入できるゲームは初めて。アマテラスが最後まで人語を話さないところがポイント。行動あるのみ。
    • アマテラスとイッスンによるボケとツッコミのコントが満載。プレイヤーであるアマテラスが指示に従わず遊んでいるとイッスンから「そうじゃねーよ」みたくツッコミが入る。それでも指示に従わないとツッコミが激しくなるところがポイント。やり取りを眺めてるだけで楽しく癒されます。感情移入するからこそ、最後は本当泣ける。ラストバトルはまじ熱い。
    • 自然のエフェクトが派手。動き回るだけで美しい。走った後の地面に草木が生えたり、ジャンプすると紅葉が散ったりする。もののけ姫気分。
    • 枯れた賽の芽を蘇らせることで呪いを吹き飛ばす現象を「大神降ろし」と呼ぶ。これがけっこうビジュアル的にインパクトがある。自然的癒しの最高峰。
    • 漢字のビジュアルによるエフェクトが素敵。呪われた地に足を踏み入れると周囲に「呪、悪、怨」とかが表示されたり、アマテラスが攻撃するときに「愛、仁、信」とかが表示される。大神の世界観によく馴染んでいる。
    • 筆で描く感覚が新鮮。筆圧もある程度認識できるので、ちゃんと筆で書いたビジュアルになるところがいい。自分の名前も書ける。
    • 筆しらべ画面中は周囲の時間が止まる。そのため、激しい戦闘中でも自分のペースでゆっくり記号を描ける。これに加えて、筆しらべ画面中は時間を止めたまま、任意のカメラアングルに変更することができる。ジャンプしたときの紅葉エフェクトなんかも止まるので、自分の好きな風景をいろんな角度からじっくり眺められる。
    • アクションの難易度は高くない。筆しらべを駆使すると、簡単に美しく勝てるところがポイント。
    • 音楽がかなりいい。楽器は雅楽なんだけど、メロディラインはゲーム音楽なところがポイント。
    • アクションRPGにしてはけっこう長い。複数回遊ぶよりも一回を長く楽しむ作品。
  • 総評
    • 筆しらべや派手なアクションが美しい自然のリアクションによって返ってくる心地良さがこの作品のいちばんおもしろいところ。そこに統一されたビジュアルとキャラクタがいいスパイスになっている。アクションRPG好きな人はぜひお試しあれ。